犬のするおしっこや人間のするおしっこが植物にかかった場合どうなるのか。
知ってるようで知らない、おしっこが植物に与える影響についてまとめました。
おしっこは植物に良い??悪い??
結論から言うとおしっこが植物にかかると悪い影響を与えます。
同じ場所におしっこをかけ続けると、その場所だけ植物が枯れてしまうなんてことも。
おしっこと言えば、植物にとっては「栄養満点の水」と思っている方もいるのではないでしょうか。
日本では人間の糞尿を肥溜めと言われる場所に集めて農作物の肥料に使っていた歴史がありますし、現在でも農作物を育てる時には動物の糞などが肥料として使われています。
「じゃあおしっこも肥料になるのでは??」と思うことも不思議ではありません。
しかし、残念ながらおしっこは植物には悪影響を与えてしまうものなのです。
ではおしっこはなぜ植物に悪影響なのか、その原因を見ていきましょう。
おしっこは長い期間発酵させたり、特別な処理をすれば肥料としても使えるようです。
日本の歴史で出てくる肥溜めは自然にそういったことをできていた可能性があります。
おしっこが植物に悪影響を与える原因
おしっこが植物に悪影響を与える原因は
- おしっこが酸性なこと
- おしっこに塩分が含まれること
この2点だと言われています。
それぞれの原因について考察していきます。
原因その1:酸性のおしっこ
まず1点目のおしっこが酸性なことについての考察です。
犬のおしっこも人間のおしっこも基本的には弱い酸性の性質を示します。
酸性で植物に害があると言われて思いつくのは「酸性雨」ですよね。
一般的には酸性雨は植物に良くないという認識です。
おしっこも酸性なら植物には良くない影響を与えるように思えます。
しかし、国立環境研究所のWebページにはこんなことが書いていあります。
一般に,植物に低いpHの水をかけてもpHが3以上では葉面に可視傷害は現れてこない。さらに,土壌の酸性化は主として土地の利用形態が変化した時に起きやすく,酸性雨による酸性化の程度は一般には極めて少ないと言われている。
これは要するに、
- 「そこそこ強い酸性の液体をかけても植物には目に見える影響がない」
- 「酸性雨が土壌に与える酸性化の影響は少ない」
ということです。
phとは、液体が酸性かアルカリ性かを見るための数値の様なもので、通常は0から14までの数字で表されることが多いです。
7が中性を表し、7より低い数字が酸性、7より高い数字がアルカリ性を表します。
数字が7よりどれだけ高いか低いかで、性質の強さも表されます。
犬のおしっこはph6.5前後・人間のおしっこはph6.0前後が平均で、基本的には弱い酸性です。
なので、上記Webページだけを参照するのであれば、
「おしっこが酸性だから植物が枯れる」
とは言い切れないのかもしれません。
もちろん、酸性雨が植物に悪影響を与えるという説もあるので、おしっこが酸性なことが植物に悪影響ではないとも言えませんが。
原因その2:おしっこの塩分
2点目はおしっこに含まれる塩分についての考察です。
1点目に説明したおしっこが酸性ということよりも、
「おしっこが塩分を含んでいる」
ということの方が植物が枯れる原因の比重としては大きいかもしれません。
基本的に犬や人間のおしっこには微量の塩分が含まれています。
そのおしっこに含まれている塩分によって、植物が塩害で枯れる可能性があります。
植物にとって塩分とは毒になり得るものです。(一部の塩分に耐性のある植物を除いて)
塩には強力な除草作用があることでも知られていますね。
植物は塩水を与えられると脱水症状を起こしてしまうことがあります。
当然ですが、脱水症状を起こしてしまえば植物は枯れてしまいます。
また、塩は水に溶けることによって塩素イオンとナトリウムイオンに分かれるのですが、ナトリウムイオンが植物にとっては毒になってしまうことがあるようです。
更には塩は土に分解されることがなく、雨などで流されない限り土中に残り続けます。
なので、犬や人間のおしっこに含まれる微量な塩分でも、同じところに何回も蓄積されていくと植物が枯れる原因になってしまう可能性があります。
まとめ・感想
犬でも人間でもおしっこを植物にかけるということは、植物にダメージを与えることにつながります。
立ちションはもっての外ですが、犬の散歩をするときにもマナーには気をつけた方がいいですね。
犬を飼っている方も飼っていない方も双方が仲良くできるように、自治体で決められているルールやマナーを守りましょう。